WESTCLOXWATCHLARM
0石腕時計の劇的ビフォーアフター。

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0石腕時計の劇的ビフォーアフター。
石はいらない。
金属軸受けもいらない。
回転ベゼルも、余計な歯車列も省く。
それでも、アラームは載せる。
なんということでしょう。
アラーム量産の匠は、新たなパーツを極力増やさず、0石の腕時計にアラームを載せたのです。
簡易操作ガイド
- ① 動力巻き上げ リューズ通常位置:時計/アラーム共用のゼンマイを巻き上げ
- ② 時刻設定 リューズを引いて時刻設定
- ③ アラーム時刻設定 2時位置プッシャー:押すたびにアラーム針が15分ずつ反時計回りに進む ※48プッシュで一周(12時間)
- ④ アラーム ON/OFF 9時位置スライダー:上=ON/下=OFF ※ONでケース側に「ON」の表示が現れる
NOTE
Westcloxは、目覚まし時計を大量生産する一方で、W4のような0石の廉価腕時計も作っていた。
WatchlarmのW5では、2時位置のプッシャーでアラーム時刻を設定し、追加の歯車列と高価な回転ベゼルを省いた。
元Westclox社員Ellworth Danzは、W5にW4の部品が一部使われた可能性を挙げている。一方でDanzは、Watchlarmについて「製造が難しかった」とし、利益も出なかったと思うと振り返った。
SPEC
- 年代
- 1950年代
- ケースサイズ
- 32.88mm(資料掲載個体)
- Cal
- Westclox W5
- 石
- 0石
- 振動
- 18,000振動/時
- 香箱
- 1香箱
- 手巻き
- 手巻き
- 音響
- 底部ベル式
- 特記事項
- 2時位置プッシャー式アラーム設定、9時位置ON/OFFスライダー、アラーム約10秒
実機鳴動
掲載個体
さらに詳しく
01目覚まし時計を何千万台も作った会社
Westcloxは、ただの廉価時計メーカーではなかった。
1950年代のWestcloxは、Big BenやBaby Benに代表される目覚まし時計を大規模に量産していたメーカーだった。1956年頃のLaSalle工場では4,000人を超える従業員を抱え、1日に約40,000個の時計類を生産していたとされる。同時期までにBig Benは4,000万台以上、Baby Benも2,800万台以上が作られていたという。4
つまりWatchlarmは、小さなメーカーが苦肉の策で作った廉価アラーム腕時計ではない。目覚まし時計を何千万台も量産してきた会社が、今度はその「鳴る時計」を腕時計サイズで成立させようとしたものだった。Westcloxの強みは高級時計的な仕上げではなく、少ない部品と加工で大量に、安定して製品を作ることにあった。4
一方でWestcloxは、W4のような0石の廉価腕時計も作っていた。WatchlarmのW5を見ると、この二つの流れ――大量生産された目覚まし時計と、徹底して簡素化された腕時計――が一つの製品に交わったように見える。だからW5の面白さは、単に「0石のアラーム腕時計」であることではない。量産を知り尽くしたメーカーが、どこまで構造を削りながら「鳴る腕時計」を成立させられるかを突き詰めたところにある。34
020石、金属軸受けなし
032時プッシャーが消したもの
04製造は簡単ではなかった
参考資料・出典
- REFERENCEMichael Philip Horlbeck, 『The Alarm Wristwatch』(Schiffer Publishing, 2007), pp.150, 198–199, 220–221(Westclox W5の仕様、操作、コスト削減構造、ケースと音響構造)
- REFERENCELeonhard Beitl, 『Alarm am Arm』(2009), pp.497–498, 628(Westclox Alarm / W5、0石、ケース径、操作、ドイツ製ケース・文字盤)
- REFERENCEEllworth Danz, Westclox Wristwatches(W5とW4部品の関係、製造難、採算に関する回想)
- REFERENCEClockHistory, Western Clock Company Chronology(1956年の従業員数、生産規模、Big Ben / Baby Ben累計生産数)